源師房または源雅兼の子孫を称した村上氏の一族。

村上行明の子で名和長年の祖父にあたる。

1221年（承久3年）

承久の乱では父、村上行明に従い後鳥羽上皇の率いる官軍に与して戦うが、北条方の軍勢に敗北し伯耆国汗入郡長田庄へと亡命している。

異説には村上行明、家臣の荒松氏、野坂氏と共に比叡山延暦寺へと亡命し僧兵になったとする説があり、「但馬前司」を名乗ったとある。

修行生活が認められた後に大山寺の末寺であった長田観音寺領を譲り受け、伯耆国汗入郡長田庄へ移ったとしている。（大山町誌）

古文書などでは村上行明と併せて記述されることが多く、親子で英明果敢な人物と評される。

鳥取県西伯郡大山町長田字徳楽に本人と村上行明の墳墓と伝わる巨大な五輪塔が現存することから長田の地で没したと推測される。

但し、往古の洪水により流出したため荒松氏が現地に移したとされ、本来の所在地は不明。

異説には名和長年が15歳の頃に名和へ移ったともされ、長田庄には家臣の荒松氏を残している。（大山町誌）